肝臓内科
肝臓内科

肝臓は「沈黙の臓器」といわれ、ある程度病気が進行しないと症状が現れにくいと知られています。そのため、肝臓に異常が起こっても気づきにくく、肝臓の病気が見つかったときにはすでに病状が進んでいることも少なくありません。ですから、健康診断などで肝臓の数値に異常があるといわれた方は、早期発見や早期治療のためにも放置をせずに受診をしていただくことが重要です。
健康診断の結果や他の疾患で受診をした際に病院で肝機能の異常を指摘されたなど、要治療・要精密検査の指示のあった方は、症状がなくてもお早めに肝臓内科を受診してください。
経過観察の指示があった方につきましても、指示されている期間内に受診することをおすすめします。
このような症状やお悩みがある方はご相談ください。
なお職場から健康診断の結果をもとに配布される要精密検査受診報告書等の提出期限間際でなく、ゆとりをもって受診いただけますと、期限内に報告させていただくことが可能です。
肝臓内科では肝臓に関わる様々な病気の診断・治療を行っております。その中でも肝炎は頻度が高く、早期発見と継続的な管理が非常に重要な疾患です。肝炎とは肝臓に炎症が起こり、肝臓の細胞が障害される病気の総称です。
ウイルスの感染だけでなく、アルコール、生活習慣、薬剤、自己免疫など様々な原因で起こります。肝臓は炎症が起きても自覚症状がないまま進行することが多いのが特徴です。健康診断や血液検査で初めて異常を指摘されることも少なくありません。急性肝炎と慢性肝炎に分けられており、急性肝炎はウイルス感染などが原因となり多くが一過性で治癒しますが、6ヶ月以上の期間持続する肝炎を慢性肝炎といいます。
B型肝炎・C型肝炎ウイルスが原因の場合は長い年月をかけて、肝臓に線維(コラーゲンなど)が蓄積し、肝硬変に進行することがあります。肝硬変になると肝機能が低下してかゆみや黄疸などの様々な症状が出現したり、肝臓がんに移行する可能性があります。
B型肝炎ウイルス(HBV)に感染することによって起こる肝炎です。血液感染(輸血や出産時の母子感染、刺青、針刺し事故など)や性行為などが主な感染経路といわれています。
現在ではワクチン接種や母子感染対策が進み、新規感染は減少していますが、ご自身が過去に感染したまま気付いていない方も少なくありません。急性肝炎として発症する場合と、一部は慢性化し、放置すると肝硬変や肝がんへと進展する場合があります。急性期は症状としては発熱、全身のだるさ、食欲の低下、吐き気、嘔吐、褐色尿、黄疸などがみられることがあります。
B型慢性肝炎では徐々に肝臓が破壊されていくため自覚症状が現れないことが多いといえます。ですので、気付かないまま経過し、炎症を繰り返しながら長年かけて肝硬変へ進行したり、肝硬変でなくても肝がんを発症する可能性があります。
現在ではウイルスを排除する治療は確立されておらず、ウイルスの増殖を抑える治療が中心となります。病状や年齢、肝機能やウイルスの量などにより治療開始時期や内服治療薬を決定いたします。多くの場合は長期的な治療と定期的な経過観察が重要であり適切に管理することで病気の進行を防ぐことが可能です。
当院でも核酸アナログ製剤による治療を行っております。
C型肝炎ウイルス(HCV)の感染によるもので、血液を介して感染します。感染しても肝炎は重症化せずに、急性肝炎としての自覚症状がない場合もあり多くの方が慢性肝炎に移行するとされています。
C型肝炎は、肝臓がんの最大の原因でしたが近年治療は大きく進歩しました。かつては副作用の強いインターフェロン治療が積極的に行われていましたが、近年では副作用の少ない経口薬(直接作動型抗ウイルス薬)が登場し、短期間(8~12週間程度)の治療で多くの患者さんでウイルスを排除することが期待されています。県の肝炎治療に関わる医療費助成制度を活用し、当院でも指定の診断書の記載や治療およびその後の経過観察に至るまで継続的な管理が可能です。
また感染しているかを知る機会として各自治体や保健所等で実施している肝炎ウイルス検診を活用してください。
アルコール性肝障害は常習的に飲酒している方に発症する病気です。日本では、肝硬変の原因としてアルコールが最も多くなっていることがわかっています。飲酒によりアルコール性脂肪性肝疾患になり、肝炎を発症して重症化することがあります。
脂肪肝の段階で断酒や減酒できれば改善が期待されますが、治療せず放置し大量飲酒を続けると、自覚症状が乏しく肝炎が長く続くことによって肝硬変や肝がんに進行する場合もあります。アルコール性肝障害は受診が遅れやすい、また依存症が背景にあり受診そのものを避けてしまう傾向があります。
チーム医療での介入が必要なこともありますが、もっと早く受診していればということが非常に多い病気ですので、肝臓の状態を正しく知り、一緒に今後を考えていく受診のきっかけとなっていただければと思います。
中性脂肪が肝臓に多く蓄積した状態となるのが脂肪肝です。過食や運動不足、飲酒などが原因としてよく知られています。健康診断などで指摘されることも多い病気ですが、脂肪肝だけで症状が現れることはほとんどありません。
飲酒しない人の脂肪肝の中に肝炎が持続し、徐々に線維化が進行する病態があることが分かってきました。この病態は、肝炎を改善しない限り、ウイルス性肝炎よりも早く肝硬変や肝がんに進行していくとされています。肥満や生活習慣病との関連性が強いことから、生活習慣を改善することが有効とされています。
原発性胆汁性胆管炎は、中年の女性に発生することが多い病気とされていましたが、近年では男性や若い年齢層にも増えてきていることがわかってきました。肝臓の中で胆汁の流れがうっ滞して、それに伴い肝細胞の破壊と線維化が徐々に進行します。かゆみなどの症状が現れます。何らかの免疫の異常が関与していると考えられています。難病に指定されていますが、早くみつけて治療を続けることで進行を抑えられる病気です。
肝炎が長期間続くと肝細胞の破壊と再生が反復されて肝臓に線維組織が溜まってきます。この状態を肝臓の線維化といい、線維化が進行した状態が肝硬変という病気です。
肝硬変では様々な症状がみられ、とくに肝臓の働きを十分に保てなくなった非代償性肝硬変では黄疸、肝性脳症、腹水、浮腫などがみられます。また、食道静脈瘤をはじめとする色々な合併症を伴いやすくなります。
肝がんは、肝臓の細胞ががん化する「原発性肝がん」と、他臓器で発生したがんが肝臓に転移する「転移性肝がん」に分類されます。
腫瘍の大きさや肝機能など総合的に診断して治療法が選択されます。肝機能が低下しているとがんが初期に見つかっても有効な治療ができないことがあり、脂肪性肝疾患や慢性肝炎の段階から肝硬変に進行しないように定期的な治療や管理で予防していくことが大切です。
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