胆石・胆のうポリープ・胆のう腺筋症
胆石・胆のうポリープ・胆のう腺筋症
胆のうとは、肝臓の裏側にある小さな袋状の臓器で、肝臓で作られた胆汁(消化を助ける液体)を一時的に蓄え、食事のときに十二指腸へ送り出す働きをしています。ちょうど「胆汁の貯蔵タンク」のようなイメージです。この胆のうにはさまざまな病気が起こることがあり、代表的なものが「胆石」「胆のうポリープ」「胆のう腺筋症」の3つです。いずれも健康診断の腹部超音波検査(エコー検査)で偶然発見されることが多く、「検査で胆のうに何かあると言われた」という形で気づく方がほとんどです。
無症状のまま経過するケースも多いですが、放置すると炎症・感染・がん化などのリスクがある病気もあるため、発見後は専門医による適切な評価と管理が重要です。
胆のうの疾患は、無症状のことが多く、健診で初めて指摘される方が大半です。ただし、以下のような症状が現れることがあります。
右上腹部の痛み・
違和感
みぞおちから右のわき腹にかけて、鈍い痛みや重だるさを感じることがあります。
食後の腹部不快感
脂っこいものを食べた後にお腹が張る、もたれる、不快感が続くといった症状が起こることがあります。
胆石発作
(強い疝痛)
胆石が胆のうの出口や胆管に詰まると、右上腹部から背中・肩にかけて激しい痛み(疝痛発作)が起こることがあります。冷や汗・吐き気・嘔吐を伴うこともあり、「今まで経験したことがない痛み」と感じる方も多いです。
発熱
胆のうに炎症(胆のう炎)が起きると、発熱を伴うことがあります。
黄疸(おうだん)
胆石が総胆管(胆汁を十二指腸に流す管)に詰まると、胆汁の流れが悪くなり、皮膚や白目が黄色くなることがあります。
胆のうや胆管の中に石のような固まりができた状態です。胆汁に含まれるコレステロールやビリルビン(色素)が結晶化して石になります。日本人の約10〜15%が胆石を持つとも言われており、非常に身近な病気のひとつです。無症状のことも多いですが、石が胆のうの出口や胆管に詰まると激しい痛みや炎症を引き起こします。胆のう炎・胆管炎・膵炎・敗血症(菌が全身にまわる)などの重篤な合併症につながることがあり、緊急的な処置が必要となります。
胆のうの内側の粘膜にできる隆起性病変(盛り上がり)の総称です。多くはコレステロールポリープと呼ばれる良性のもので、治療の必要がないケースがほとんどです。ただし、大きさが10mm以上・急に大きくなる・単発・広基性(根元が広い形)などの場合は、悪性(胆のうがん)のリスクが高まるとされており、短期間での経過観察や手術が検討されます。
胆のうの壁が厚くなり、壁の中に小さなくぼみ(ロキタンスキー・アショフ洞)ができる病気です。良性疾患とされていますが、一部のタイプでは胆のうがんとの鑑別が難しいことがあります。また、胆石を合併することも多く、造影剤を使用したCT検査の実施や定期的な画像検査による経過観察が重要です。
肥満・過体重
体内のコレステロールが増えると胆汁中のコレステロール濃度が高くなり、胆石ができやすくなります。
脂質の多い食事・
偏った食生活
脂肪分や糖質の多い食事はコレステロール系胆石のリスクを高めます。
急激なダイエット
急激に体重を落とすと、肝臓からコレステロールが大量に分泌されて胆石ができやすくなることがあります。
女性ホルモンの影響
女性(特に中高年)に胆石が多い傾向があり、女性ホルモンが胆汁中のコレステロール濃度を高める可能性があるとされています。
加齢
年齢を重ねるにつれて胆汁の成分バランスが崩れやすくなり、胆石・ポリープが発生しやすくなります。
糖尿病・脂質異常症
代謝の異常が胆汁の組成に影響し、胆石ができやすくなることがあります。
長期間の絶食・
経管栄養
胆のうが収縮する機会が減り、胆汁が濃縮されて石になりやすくなります。
胆のう疾患の診断に最もよく使われる検査です。痛みがなく体への負担が少なく、胆石・ポリープ・胆のう壁の肥厚(厚くなっている状態)などを確認できます。健診でも広く実施されています。
胆のうや周囲の臓器の状態を詳しく確認できます。胆のう炎の重症度評価や、胆管への影響を調べる際に使われます。
放射線を使わずに胆管・膵管を詳細に描出できる検査です。胆管内の結石や狭窄を調べるのに優れています。
炎症の程度(CRP・白血球数)・肝機能(AST・ALT・ALP・γ-GTP)・ビリルビン値などを確認します。胆のう炎や胆管炎の重症度把握に役立ちます。
内視鏡の先端に超音波の装置がついた検査機器を使い、胃や十二指腸から胆のう・胆管を至近距離で詳しく観察できる検査です。通常の超音波検査では判断が難しい病変の性質を詳しく調べる際に行われます。
以下のような状況では、外科的な手術(主に腹腔鏡下胆のう摘出術)が検討されます。
胆石発作・胆のう炎・黄疸・膵炎などを起こした場合は、入院治療と状態に応じた手術が必要となります。
悪性化のリスクが高まるため、手術が検討されます。
短期間でサイズが増大している場合は、悪性の可能性を考慮して精密検査と手術が検討されます。
画像検査だけでは確定診断が難しい場合は、手術による病理診断が必要になることがあります。
早期発見・早期切除が重要です。
手術の必要性については、腫瘍の性質・大きさ・患者さんの状態などを総合的に判断して決定されます。「手術が必要かどうか心配」という方は、まずご相談ください。
無症状の小さな胆石や、5mm未満の胆のうポリープ、典型的な胆のう腺筋症などは、定期的な腹部超音波検査で経過を見ることが基本です。半年〜1年に1回程度の画像検査によって、大きさの変化・性状の変化がないかを確認します。
胆石に対して胆汁酸製剤(ウルソデオキシコール酸)を使ってコレステロール系の小さな胆石を溶かす方法があります。ただし、効果が出るまでに時間がかかること・すべての胆石に有効なわけではないことから、限られたケースで使用されます。
現在、胆のう疾患の手術の主流は「腹腔鏡下胆のう摘出術」です。お腹に数か所小さな穴を開けてカメラと器具を挿入し、胆のうごと切除する方法です。開腹手術と比べて体への負担が少なく、入院期間も短くて済むことが多いです。
胆のう疾患は、腹部超音波検査による定期的な経過観察が基本ですが、ポリープの増大・悪性の疑い・胆石発作などが起きた場合には、外科や消化器専門医療機関との連携が必要になります。当院では、腹部超音波検査・血液検査を通じて胆のうの状態を評価し、精密検査や手術が必要と判断した場合は適切な専門医療機関へ紹介いたします。「健診で異常を指摘されたけど、どうすればいいかわからない」という方も、まずはお気軽にご相談ください。
以下に当てはまる方は、ぜひ一度当院へご相談ください。
「症状がないから大丈夫」と思って放置しているうちに、胆のう炎や胆管炎などの重篤な合併症を起こすケースもあります。胆のうがんは初期には自覚症状がなく、進行した状態になってから受診される方も経験いたします。現在の状態を知り、過剰検査でなく、状態に応じた定期的な検査期間などを提案いたします。気になることがあれば、早めにご相談いただくことをおすすめします。当院では、丁寧な検査と説明を通じて、患者さんに合った対応を提案いたします。
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