便の色や形が気になる
便の色や形が気になる

便の色がいつもと違う、便が細くなってきた、最近便が黒っぽいなど、便の色や形の変化は、腸や消化器の状態を知る大切なサインです。
健康な便は黄褐色〜茶褐色で、バナナ状のやわらかい形をしています。これと大きく異なる色や形が続く場合は、食事や薬の影響のこともありますが、大腸・胃・肝臓・胆のうなどの病気が原因となっている可能性があります。
特に「真っ黒な便(タール便)」「赤い血が混じった便(血便)」は消化管の出血を示す緊急サインです。このような場合は、速やかに消化器内科を受診してください。
上記の症状が続く場合、消化器系の病気が隠れている可能性があります。消化器内科への受診をご検討ください。
便の形・硬さは「ブリストル便形状スケール」という基準で7種類に分類されます。タイプ3〜4が理想的な状態です。
| タイプ | 形・硬さ | 状態 |
|---|---|---|
| タイプ1 | コロコロした硬い塊(ウサギの糞状) | 重度の便秘 |
| タイプ2 | 塊が連なったソーセージ状(表面がでこぼこ) | 便秘 |
| タイプ3 | 表面にひびの入ったソーセージ状 | 正常に近い |
| タイプ4 | 滑らかでやわらかいソーセージ・バナナ状 | 正常(理想的) |
| タイプ5 | やわらかい塊状(はっきりした縁がある) | やや下痢気味 |
| タイプ6 | ふわふわした形のない塊(泥状) | 下痢気味 |
| タイプ7 | 水のような液状の便 | 重度の下痢 |
タイプ1・2が続く場合は便秘、タイプ6・7が続く場合は下痢として消化器内科への受診をおすすめします。また、急にタイプが変わった場合も注意が必要です。
便の色は、消化管の状態や出血の場所を知る重要な手がかりになります。
| 便の色 | 考えられる原因 | 受診の目安 |
|---|---|---|
| 黄褐色〜茶褐色 | 正常 | 経過観察でOK |
| 黄色・薄い茶色 | 消化不良、腸の動きが速い、脂肪の吸収障害 | 続く場合は受診 |
| 緑色 | 腸の動きが速い、葉物野菜の食べすぎ、抗生物質の影響 | 続く場合は受診 |
| 白色・灰色・クリーム色 | 胆汁の流れが悪い(胆道閉塞・胆石・膵炎・肝炎など) | 早めに受診 |
| 赤色(鮮血) | 大腸・直腸・肛門付近の出血(大腸がん・痔・大腸炎、虚血性大腸炎、大腸憩室出血など) | 早めに受診 |
| 黒色・タール状 | 胃・十二指腸など上部消化管からの出血(胃潰瘍・胃がんなど) | すぐに受診 |
| 粘液が混じる | 腸の炎症(潰瘍性大腸炎・クローン病・感染性腸炎など) | 早めに受診 |
ほうれん草などの緑の野菜を多く食べると緑色の便になることがあります。鉄剤・活性炭・ビスマスを含む薬を服用すると黒色の便になることがあります。これらは病気ではありません。
胃・十二指腸潰瘍や食道の出血では黒色便(タール便)、大腸・直腸・肛門の出血では赤色便(血便)が現れます。出血の場所によって便の色が異なります。
腸の動きが速すぎると、胆汁が十分に分解されず緑色や黄色の便になります。便秘では腸内に便が長くとどまり、水分が過剰に吸収されて硬くコロコロした便になります。
胆汁の流れが悪くなると、便が白色・灰色・クリーム色になります。胆石・胆のう炎・膵炎・肝炎・胆管がんなどが原因となることがあります。
潰瘍性大腸炎・クローン病・感染性腸炎などでは、粘液や血液が混じった便が出ることがあります。
大腸の内部を直接観察し、ポリープ・がん・炎症・憩室・出血部位などを確認します。便の変化の原因を調べる上で最も重要な検査です。
黒色便(タール便)がある場合、胃・食道・十二指腸からの出血が疑われるため、胃カメラによる検査が必要です。
肝臓・胆のう・膵臓など、便の色に関わる周辺臓器の状態を確認します。胆道閉塞や腫瘍の有無を調べます。
貧血・肝機能・膵臓・炎症の程度・甲状腺機能や腫瘍マーカーなどを確認し、全身の状態を把握します。
便潜血検査で下部消化管出血の有無を確認します。
血便・便が細くなる・残便感などが続く場合に疑われます。早期発見のために定期的な大腸カメラ検査が重要です。
胃や十二指腸からの出血により、黒色のタール状の便が出ます。腹痛・吐き気を伴うこともあります。
粘血便・下痢・腹痛が繰り返される病気です。長期的な治療と管理が必要です。
胆汁の流れが妨げられると、便が白色・灰色になります。黄疸(皮膚・白目が黄色くなる)を伴うこともあります。
排便時に鮮血が出る場合、痔が原因のことも多いですが、大腸の病気との鑑別のために内視鏡検査が必要です。
突然の激しい腹痛(特に左腹部)のあとに、鮮血便や下痢が起こる病気です。大腸への血流が一時的に滞ることで発症し、糖尿病や循環器系の疾患がある方、高齢者や便秘傾向のある方に多く見られます。
腸壁のくぼみ(憩室)内の血管が破れて出血する病気です。腹痛をともなわない突然の大量の下血(鮮血〜暗赤色)が特徴です。出血量が多くなる場合があり、早急な受診が必要で、緊急的に内視鏡検査が必要なことがあります。
便の色や形の異常に対する治療は、原因となる病気によって異なります。大腸がん・大腸ポリープには内視鏡的切除や手術、胃潰瘍には薬物療法・ピロリ菌除菌療法、炎症性腸疾患には抗炎症薬による管理が行われます。
便秘が原因の場合は、食物繊維・水分の摂取増加や適度な運動が効果的です。腸内環境を整えることで、便の状態が改善するケースも多いです。
病気が見つからなかった場合でも、便の変化が続く場合は定期的な検査で状態を確認することが大切です。
便の色や形は、消化器の健康状態を映す鏡とも言えます。特にタール状の黒い便や血便は緊急のサインです。「いつもと違う」と感じたら自己判断せず、早めに消化器内科を受診して原因を確認しましょう。
気になる症状がある方は、お気軽に当院までご相談ください。
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